英語通訳家・翻訳家の職業は憧れの職業の一つだと思います。そのため幼いころから英語の勉強が好きで将来はバイリンガルという強みを活かし、通訳家・翻訳家を志す方は多いのではないでしょうか?
翻訳は書籍の文章を他の言語に変換し記述すること、通訳は口頭で述べられた文章を他の言語に変換に口述することで、どちらも英語・日本語共に高い文章力と表現力が必要とされます。またその国の経済、政治、歴史、文化、現状など様々な分野において幅広く知っておくことも非常に重要です。
オーストラリアで通訳・翻訳コースで学ぶといえばNAATI資格取得を目的とするのが大半だと思います。NAATIとはNational Accreditation Authority for Translators and Interpretersの頭文字を取った略でオーストラリアの通訳・翻訳資格認定機関のことです。NAATIはオーストラリアの国家資格として認められておりますので、NAATI公認資格はビジネスをはじめ政府機関など幅広く活用されています。
NAATI資格取得コースは一般的に大学での開講となりますが、専門学校での開講もあります。
専門学校での通訳・翻訳コースはNAATI試験のプロレベル合格を目指した実践面を重視しており、資格取得を最大の目的とするのであればTAFEで学ぶことをお勧めします。一般的に英語力はIELTS6.0ポイント以上が基本となります。
資格取得と学士号取得の両方を目的としたり、どちらかといえば学士号取得を目的とするのであれば大学を選択するのが望ましいです。一般的に英語力はIELTS6.5ポイント以上が基本となります。
大学院の通訳・翻訳コースの入学基準は高く英語力はIELTS6.5~7.0ポイント以上が目安となりますので入学前から高い英語力を持っている必要があるといえます。
コース期間は目指す資格と学校・コースにより異なります。病院、学校、ビジネス現場における通訳・翻訳から、国際会議での交渉、法的機関での通訳・翻訳など資格レベルによって業務で取り扱える範囲は異なるので将来どの分野でどんな業務に就きたいかによって進路を選ぶ必要があります。また、すべてのオーストラリアの教育機関の通訳・翻訳コースが日本語⇔英語の通訳・翻訳に対応しているわけではないのでその点も考慮する必要があります。
英語力が入学条件に達していない場合、語学コースから始めることができます。また、いくつかの大学ではTAFEに入学した後、学士や修士コースに編入する方法もあります。出願時には学力と英語力の証明以外に適性試験が実施されることもあります。
下記はRMIT大学のAdvanced Diploma of Interpreting & Translating コースの卒業生のコメントです。
「このコースは、英語から日本語への翻訳、日本語から英語への翻訳、そして通訳の3つのエリアに渡って学ぶコースです。一年間のコースを終えた感想は、とにかく大変でした。授業数という意味では楽なほうですが、普通の大学のコースと比較するとクラスの人数が少ない分、先生の注意が行き届いているのでボーっとしてはいられません。宿題や課題の量もかなり多く、きちんとやりこなそうとするとかなりの時間を机に向かうことに費やすことになります。
Field Practice toと呼ばれる課外実習では、翻訳・通訳の現場を見学あるいは実際に仕事をさせてもらう機会に恵まれます。しかしこのコースの大変なところはいかにして最終試験NAATIを合格するかというところにあるのではないでしょうか。NAATIの合格率は決して高いものではなく、これはRMITのこのコースを取った人の間でも例外ではないのです。
私が知っているところ、現在までの卒業生(日本人)の合格率は50%前後ぐらいなのではないのでしょうか。 クラスにはいろいろな人がいます。海外生活が長く、とてもきれいな英語を話す人から、英語の発音ではだめでもとてもきれいな日本語を使う人etc。理由はそれぞれ多少違っても、NAATIの資格が欲しくてコースに入学した人ばかりです。そういった人達の中で、最終的にNAATIの試験に合格する人としない人の違いは、多分努力家であるかどうかなのではないでしょうか? 語学力とは毎日の積み重ねです。与えられた宿題だけではなく、自学習をするぐらいのやる気が無ければこのコースを終了するのは難しいと思います。」